D&Lトピックス
ハードウェア専業ベンダーとして柔軟なパートナー戦略の推進が可能に

2015.02.09掲載

レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ株式会社
取締役執行役員 エンタープライズソリューションズ事業本部長
小林泰子 氏

昨年の10月1日、IBMからx86サーバー事業を引き継ぐかたちで事業を開始したレノボ・エンタープライズ・ソリューションズ(以下、LES)。ハードウェア専業ベンダーである同社は、ソフトウェアなど他の事業体の戦略に縛られることなく、柔軟なパートナー戦略を推進できるという。LESの事業を主導する小林泰子氏に、サーバー事業の戦略を伺った。

レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ株式会社 取締役執行役員 エンタープライズソリューションズ事業本部長 小林泰子 氏


x86サーバービジネスの結果を出し 事業移行の影響がないことを証明

編集部●レノボグループがx86サーバー事業を買収してLESが設立されましたが、LESが扱う製品群を教えてください。

小林氏(以下、敬称略)●新会社が設立されるまで、私は日本アイ・ビー・エムでx86サーバー事業を担当していました。LESへの事業の移行に伴って、「System x」の製品群に関わる私の部下と関連する人員もすべて当社に移籍しました。開発から生産、販売、導入支援、サポートに至るまで、x86サーバーのすべての領域が、IBMからLESに移っています。当社が取り扱う製品は、System xに関連する全製品やネットワーク機器などになります。

「PureSystem」シリーズに関しては、x86ベースの「PureFlex System」が当社からの販売になります。また、「AIX」や「IBM i」が稼働するPureFlex Systemの「POWER」ノードについては、これまで通りIBMの製品となるため、POWERが含まれるPureFlex Systemは必要なコンポーネントを当社がIBMにOEM提供し、IBMがシステムとして販売します。

編集部●サーバー事業がIBMからレノボ側に移ったことで、事業に変化はあったのでしょうか。

小林●当社には、x86サーバーに関わっていたIBMの全人員が移籍しており、取り扱う製品も同じです。そのため、IBMと協力して手掛けている事業や既存のお客さまに対するビジネスは、良い意味で何も変わっていません。しかしながら、何かしらの影響があるのではとお客さまから気にされることが多いのも事実です。当社としては、しっかりと結果を出していけば、影響がないことを証明できると考えています。

編集部●サポート体制に変化はあるのでしょうか。

小林●保守については、製品開発が当社に移ってきているため、保守サービス事業も当社が引き継いでいます。ですが、保守サービスの提供は、当社からの委託で、世界のサポート網を持つIBMが継続して実施しています。今も変わらず、IBMの担当者がお客さまのもとに出向いて保守を行っており、当社が設立した昨年10月以降、サーバーのサポートに関するトラブルは起きていません。

編集部●x86サーバーに関するサポートは、IBMが5年間担当すると公表されていますね。

小林●2014年1月時点の発表では、IBMによるサポートはある一定の期間としていました。しかし、日本のお客さまはサポートを非常に重視し、実際に、一定期間についての問い合わせを多数受けました。そこで、IBMの米本社とレノボが話し合い、IBMによるサポートはグローバルでいったん5年と決定しました。とはいえ、IBMは、5年後にサポートを必ずやめるというわけではありません。

PCとサーバーの販売を推進する インセンティブプログラムを開始

編集部●パートナー戦略に変化はありますか。

小林●IBMのときは、x86サーバー事業がIBMの中の事業体の1つであったため、他の事業体と戦略を合わせるかたちで、パートナー戦略を進める必要がありました。さまざま条件や制約を考慮してパートナー施策を進めなければならなかったのですが、x86サーバー事業がレノボ側に移ってハードウェア専業の新会社が設立されました。これによって、他の事業部門とパートナー戦略を合わせる必要がなくなり、本来手掛けたかった施策が自由に行えるようになりました。我々の事業は、パートナー企業なしには成立しません。これまで以上に柔軟に対応できる体制に変化させていく方針であり、具体的な取り組みも始まっています。

 例えば、PCまたはサーバーだけを取り扱っていただいているパートナー企業に対しては、両方の製品を販売していただけるように、インセンティブプログラムなどを開始しています。

編集部●御社のハードウェア事業の強みを教えてください。

小林●ハードウェア専業ベンダーである当社は、お客さまが良いと思われるものや、我々が価値を提供できると思う商材を、自由に組み合わせて提案できます。もちろん、IBMと共同で進めていくビジネスに関してはIBMの製品を活用しますが、それ以外の企業の製品も積極的に組み合わせていく予定です。いろいろな分野の企業と協業を進めている段階であり、今までは取引がなかった企業など、範囲を広げる活動を始めています。

編集部●顧客の要望によっては、IBM以外の製品を組み合わせ、ソリューションとして提供するということですね。

小林●その通りです。ソリューション構築に関する自由度が増したということになります。パートナー企業によって、販売したいソフトやサービスがあり、その基盤に当社の製品を活用したいというケースもあるでしょう。そうした際、当社としてどのように支援できるかが重要になります。単にハードを提供するだけではなく、ソフトやサービスの動作検証も行い、そのシステム構成で販売できるという部分までサポートしていきます。そうした取り組みの1つとして、検証センターを新設しました。

ソフトを自由に持ち込める 検証センターを開設

編集部●さまざまな企業に検証センターがありますが、御社の検証センターの特長について教えてください。

小林●検証センターを抱えている企業は少なくないですが、一般的な検証センターは、その企業が開発した製品を検証する施設であり、他社製品を組み合わせた環境を検証することは少ないです。一方、当社の検証センターは、他社製品を組み合わせた環境も積極的に検証します。

 当社製品とクラウドサービスの検証に関しては、各社のクラウドサービスと接続しているクラウドショーケースという施設を開設し、クラウド環境を含めた検証を可能にしています。当社はモバイルとクラウドに注力したいと考えており、モバイル機器からWi-Fi経由でサーバーにアクセスし、サーバーを通じてクラウドサービスを利用できる環境を用意しています。また、エンジニアの作業を行いやすくするために、検証センターのデザインにエンジニアの意見を取り入れました。

編集部●検証センターでは、IBM以外のメーカーの製品も検証されるのでしょうか。

小林●ISVやハードウェアベンダー、クラウドサービスプロバイダーなど、さまざまなパートナー企業との協力関係を強化していきます。各企業とソリューションを構築して、システムの稼働なども検証しています。ともにプロモーション活動も実施し、お客さまに対して一緒に提案しています。

 検証センターには、お客さまやパートナー企業向けのセミナーを実施するスペースを設けています。また、パートナー向けのテストルームやトレーニングルームなど、パートナー企業に使っていただける部分もあり、モバイルからクラウドまで、システムのデモンストレーションも実施できます。パートナー向けテストルームは、取り扱っているソフトなどを自由に持ちこんで、当社のサーバーと組み合わせて検証することも可能です。

 トレーニングルームは、ハンズオン形式のトレーニングを実施する場所になります。SEの方の多くは、機器に触れたいというニーズを持っており、昨年10月からかなりの回数のトレーニングを実施しています。汎用的なシステムや特定のお客さまに提案する専用システムの検証など、個別のご相談にも対応しているほか、利用するための条件も設定していません。当社による検証サポートも実施しますので、パートナーの皆さまにも積極的に使っていいただきたいと思います。

ビジネス環境の変化に パートナーともに対応

編集部●御社は米沢工場での生産の計画を発表されていますが、今後の事業展開について教えてください。

小林●ビジネス環境は刻一刻と変化しています。パートナー企業との協業で柔軟に対応していける仕組みを早急に構築する必要があります。そのためには、パートナー企業から当社のサーバーを評価していただかなければなりません。日本では、“日本品質”が求められることもあり、“メイドイン米沢”を推進していきます。

編集部●DISと共同で手掛けたい具体的な取り組みを教えてください。

小林●当社は、いかにパートナー企業とWin Winの関係を構築できるかが重要だと捉えています。従来から、レノボ・ジャパンとDISの関係は非常に強固であり、より密な協業関係を築いていきたいですね。DISは多くの販売店と取引していますが、全国の販売店の事業規模拡大に寄与したいとも考えています。PCだけを取り扱っていただいているパートナー企業にサーバーを一緒に提案していただくために、我々もセミナーや検証センターなどでサポートしていきたいです。

 新しい取り組みとして、当社のサーバー、NetAppのストレージ、VMwareの仮想化ツールで構成したシステムを検証し、“太鼓判構成”として、DISとともにプロモーションしていく方針です。販売店としても、検証済みであるため安心して提案できるでしょう。

 また、当社はWindows Server 2003のユーザーに対する移行支援策「Lenovo Windows EOS駆け込み寺」を発表しました。サーバーOSのサポート終了への対策として、いろいろな取り組みが行われていますが、移行が遅れているケースもあるでしょう。移行に関して、お客さまやパートナー企業からのどのような相談も受け付けています。

 移行のためのツールやソリューションを取り扱っているパートナー企業との連携も進めており、現在7社のパートナー企業と協業を行っています。駆け込み寺に相談していただいた内容から適切なツールを選定するようなコンサルティングを行い、実際にツールを使って検証することも始めています。

(撮影:アイキ 元)

(PC-Webzine2015年2月号掲載記事)


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